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2008年6月26日 (木)

ペットのための防災 ◆物の備え・心づもり

災害は、ある日突然あなたを襲います。
地震の少ない土地だから大丈夫、近くに火山などないから大丈夫、そうとは言えません。
台風や異常気象などの天候急変による自然災害は、全国どこの土地でも起こりえることです。
自然災害ではなく、火災・ガス漏れ・化学物質飛散などによる人工災害もあります。
ぜったいに安全という場所はどこにもないのです。

災害時にはペットも被災者になります。
これまでの過去の災害においても多くのペットが犠牲となりました。
命は助かっても、被災した飼い主の生活上の理由から泣く泣くペットを手離さなければならない場合もあります。
そんな悲しいことにならないように、災害が原因で大切なペットを失うことのないように、ふだんから物の備えと心づもりをしておきましょう。
大切なペットのために。
飼い主であるあなた自身のために。

◆備えておきたい物
[餌・飲用水]
緊急時のためのフードと飲み水を最低1週間分は予備の器とともに用意しておきましょう。
災害発生から数日経てばペットフードの配給が行われることがありますが、それが確実に手に入るとはかぎりませんし、食べなれていないものだとペットの体調をくずします。
食べなれている保存のきくフードをペット用非常食として備蓄しておきましょう。

[避難用具]
ケージ、クレート、キャリングケースなどを1匹につき1個は用意しておきましょう。
災害時にはマイカーが使えなくなることが多く、避難のために公的機関が多数のペットを一括して移送する場合があります。
ペット同士の喧嘩を防いだり、怪我をさせずに安全に避難させるにはケージやクレートに入れるのがいちばんです。
ふだんの生活からケージやクレートに入ることに慣れさせておくといいでしょう。
気性の荒い犬には口輪を用意しておくと安心です。

[鑑札・名札]
首輪に鑑札や名札をつけ、ペットの名前とともに飼い主の氏名・連絡先を消えないように記入しておきましょう。
災害時にはペットが逃げ出して行方不明になってしまうことが多くあります。
放浪しているところを保護されたときのためにも、飼い主がすぐにわかるようにしておけば安心です。

[薬]
災害によるペットの怪我に備えて、消毒薬や化膿止め、ガーゼ、包帯を用意しておきましょう。
応急処置の仕方をふだんからかかりつけの獣医さんに教わっておくと役に立ちます。
災害時にはかかりつけ病院と連絡が取れなくなったり、薬の入手が困難になったりします。
慢性の病気などで決まった薬を飲んでいる場合は、予備の薬について獣医さんに相談しておきましょう。
急にやめたり減らしたりするとよくない薬は特に気をつけましょう(抗生物質・心臓病の薬・ステロイド・インターフェロン・抗てんかん薬・その他)。
獣医師が途中でやめてもよいと言わないかぎり、処方された薬は最後まできちんと投与することが大切です。
保管方法や保管日数によっては薬の成分が変質して効果がなくなるものもありますから、その点も獣医さんによく聞いておきましょう。

[他]
緊急用品として、予備の首輪やリード(引き綱)、猫用ネット、ペットシーツや古新聞、タオルなどをひとまとめにして備えておきましょう。
タオルは濡れたり汚れたりしたペットの体を拭くときのほか、怪我をしたときの止血や寝床の敷き物、防寒のために役立ちます。
飼い主の匂いのついている古着なども用意しておくと、飼い主と離れた避難先などでペットは安心することができます。

[飼育メモ]
ペットの飼育メモをひとまとめにしておくことをおすすめします。
生年月日、鑑札番号の控え、予防注射・ワクチンの接種歴、病歴、去勢避妊手術の有無、かかりつけの獣医さんの名前のほか、餌の好みや健康状態、日々の運動量の目安などを記入しておけば、誰かにペットの世話を頼まなければならないときにとても役立ちます。
飼い主が不測の事故で入院などしたときのことも考えて、飼育メモには飼い主の自宅以外の連絡先(携帯電話、勤務先、親類知人)も記入しておきましょう。
また、万が一にペットが行方不明になってしまったときのためにペットの写真を用意しておくと捜索するときに役立ちます。
飼い主とともに写っている写真があれば所有権の混乱が生じた際の証明になります。
飼育メモと一緒に写真も保管しておきましょう。

◆ふだんから心がけておきたいこと
[飼育場所の安全]
室内飼いのペットは、地震によって窓ガラスなどが割れると破片で怪我をします。
万が一のために、室内の床に広げられるような古毛布などを取り出しやすいところに保管しておくといいでしょう。
厚手のソファカバーなどを常に使っていると、とっさのときの代用にすることができます。
突然の地震に備えて、室内の落下物からペットを守る方法と退避場所も考えておきましょう。
屋外飼育のペットについては、地震による落下物やブロック塀の倒壊を考慮して飼育場所を決めましょう。
台風などの強風対策として、飼育舎の点検や補修も必要です。

[しつけ]
災害時にはやむなく避難などをして見知らぬ場所で見知らぬ人や動物とともに暮らすことが予想されます。
犬にはふだんから「待て」「静かに」などを教えておきましょう。
避難先でケージに隔離された場合、ふだんは外でしか排泄をしない習慣のペットは排泄を我慢してしまいます。
排尿・排便障害やストレスを防ぐために、トイレシートなどの上で排泄をすることを覚えさせておきましょう。

[登録]
犬を飼う飼い主には登録を市町村に届け出る義務があります。
災害時には登録された犬が優先して保護されることもありますので、必ず登録を済ませておきましょう。

[ワクチン・予防注射接種]
多数のペットが一括して保護されるような場合、1匹が病気をもっているとあっという間に感染して病気が広がることもあります。
病気にしない・させないために、定められたワクチン接種や狂犬病予防注射を行っておきましょう。

[緊急避難]
住んでいる市町村に緊急時の動物避難場所について確認しておきましょう。
住民の公的避難場所にペットを連れていく場合は、保管場所の具体策などをきちんと確認しておけば、動物が苦手な人とのトラブルが避けられます。
住民の公的避難場所にペットの同伴が許可されていない地域では、別途に動物避難場所を設けるよう行政に要望しましょう。

[預け先]
万が一の災害に備えて個人的にペットを預かってくれる先をさがしておくと安心です。
親類知人など動物好きの人同士で声をかけあい、"お互いさま"の連携をしておくといいでしょう。

[飼い主グループ]
町内会や自治会などの地域組織を通じて、緊急時には近隣の飼い主同士が連携する関係を作っておくといいでしょう。
災害発生時のペット状況のとりまとめ、避難先での協力、行政への連絡窓口など、飼い主グループを作ることによって混乱を最小限にし、助け合うことができます。

【ペットのための防災 参考資料】
大地震の被災動物を救うために・兵庫県南部地震動物救援本部活動の記録 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/eqb/book/7-156/index.html
注※
 神戸大学附属図書館Webページへのリンクです。
 兵庫県南部地震における動物救援の膨大な記録が収められています。
 この資料に関するリンク/著作権については、
 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/link.html
 を必ず読んでください。

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