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2010年5月22日 (土)

口蹄疫(こうていえき)

宮崎県で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が爆発的流行をしています。
牛・豚・山羊・羊・水牛・鹿・猪・カモシカなどの間でウィルスによって感染する病気で、口の中やひづめに水泡ができます。
仔豚が感染すると約半数は死んでしまうとされていますが、それ以外の大半は水泡がかさぶたになって落ちると回復に向かいます。
治る病気なの?
じゃ、なぜ感染地域の全頭殺処分という大騒動になっているの?
そう思う人が多いでしょう?
この病気にかかると痛みや発熱によって食欲や元気を失います。
肉や乳など人間の食料となる家畜が体調を崩すということは、生産効率の悪化を意味し、出荷の予定が狂い、経済的損失となります。
牛なら○○ヶ月、豚なら○○ヶ月、肉となるためには種類ごとに一定の肥養期間があり、酪農家はそれに合わせて世話に明け暮れますが、家畜が病気になると出荷のめどが立たなくなります。
つまり、酪農業が成り立たなくなるのです。
口蹄疫はとても感染力の強い病気で、ウィルスは人の衣服や車のタイヤ、チリに付着して風によって運ばれるなどして次々に感染域を広げていきます。
口蹄疫感染が確認されたらすぐに家畜の移動制限や殺処分、畜舎や移動経路の消毒をしなければなりませんが、今、宮崎県で大問題となっている口蹄疫は最初の感染確認が見逃されたのとその後の対策が遅れたため、爆発的感染拡大を引き起こしてしまいました。
昨日5月21日には、一定の地域について、感染が確認されていなくても全頭殺処分という対策が決定しました。
感染の可能性がある地域の家畜をゼロにして、ウィルスの拡散を封じ込めることが目的です。
酪農家が家畜を失うということは、仕事を失うということです。
酪農家だけではありません。酪農家に餌を供給していた飼料会社、家畜の運搬をしていた運送会社、肉や乳を生産する会社、家畜の糞尿を扱う肥料会社、それらの仕事がすべてストップします。
それらの仕事をする人たちが暮らしている町の商業・サービス業にも影響が及びます。
殺処分によって畜舎が空っぽになると、地域一帯から完全にウィルスの危機がなくなるまでは新しい家畜を入れられません。その期間は最短でも半年間といわれています。
また、それらを出荷するまでさらに長い期間を要します。
その間、酪農家も関連業者も無職の状態です。収入がない人が暮らす町では地域の商業も成り立ちません。
宮崎県のなかにゴーストタウンができるということです。
いえ、酪農が主産業の宮崎県そのものがゴーストタウン化するのです。
国は、殺処分対象の家畜には補償金を出しますが、職を失う酪農家や関連業者の生活再建には補償がありません。
これは、宮崎県を見捨てるのと同じことです。
宮崎県を助けるには、[支え合い]しか道はありません。
公式に募集している宮崎県口蹄疫被害義援金への募金や、宮崎県産の物を買うなど、一人一人が少しでも宮崎県にお金を使うことで、宮崎県の人たちを支えることになります。
テレビのニュースで宮崎県の酪農家が泣いていました。
大切に育ててきた牛が目の前で殺処分されるのが耐えられないと。
肉にするために殺される牛を飼っていてなぜ泣くんだ?という意地悪な意見がインターネットの中にありました。
家畜はペットではありません。人間が利用するために育てられる動物です。
利用するものであっても酪農家はけしてその動物の命を軽んじてはいません。
家畜によって生活が成り立ち、家畜によって生かされています。
犬や猫などのペットが飼い主のもとで一生を終えるのが幸せなのと同じく、家畜は酪農家が無事に出荷の日を迎えることが幸せなのです。
愛情をかけて大切に育ててきた家畜を出荷することなく殺処分という宣告は、犬や猫を飼い主からもぎ取るのとなんら変わりないことです。
ましてや家畜は生活の糧です。ペットを奪われる以上の悲しみや痛手があるでしょう。
犬や猫をテーマとしたこのブログで口蹄疫の問題を書いたのは、肉や乳を利用される産業動物についても想いをめぐらせてほしかったからです。
動物を慈しむ気持ちに、ペットと家畜の違いはないということをわかってほしかったからです。
そして、もうひとつ・・・。
これが口蹄疫ではなく、もしも狂犬病だったら・・・を考えてほしかったから。
一定の地域内にいる犬を全頭殺処分せよということになったら、犬の飼い主であるあなたはどう思いますか?
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